2019-02-10

海外にお金をどのように持っていくか?(2019年)

海外旅行や仕事で海外渡航する場合,海外にどのようにお金を持って行くかという問題に正解はないと思う.本稿では,その問いに対する筆者の一意見を述べる.

お金のバランス

海外渡航期間を1週間程度と想定するとき,必要なお金には,飛行機のチケット代,ホテル宿泊費,現地滞在費,お土産代がある.飛行機のチケット代とホテル宿泊費については,予約の際に事前に支払うことが多いと思う.そのため,主として考えるべき予算は,現地滞在費,お土産代に絞られるであろう.
現地滞在費とお土産代の予算の目安は,渡航先の物価水準,観光の日程,お土産の量(とくにハイブランドの商品を買うか否か)によって変わる.一例として,筆者(30代独身男性・主として仕事で海外渡航することが多い)の場合,現地滞在費は1日あたり1万円,お土産代は2~3万円として概算している.くわえて,もし同伴者がいる場合は,現地滞在費を人数でかけ算する.
海外に持ち出す金額が決定した後は,どのような手段を用いてそのお金を持ち出すかが重要であろう.例えば,旅行代理店を通じた初心者向けのツアーであれば,日本円の現金だけを持参しても対応できることがある.一方,個人手配かそれに準じる形態であれば,現金だけで対応できることは稀である.本稿では,後者の場合について筆者の考え方を紹介する.

クレジットカード

海外渡航ではクレジットカードは必須である.例えば,ホテルにチェックインする際にはクレジットカードの提示(デポジット)が求められるので,乱暴に言い方ではあるがクレジットカードがなければホテルに宿泊することすらできない.持参するクレジットカードについては,その国際ブランドを分散しておく方が安心である.
具体的には,VISAとMastercardの2枚を持って行くことは必須として,アメリカンエキスプレス(American express),JCB,Diners Club card,銀聯(Union pay)を併せ持つと心強い.一例として,筆者は下記のクレジットカードを持参している.
  • アメックスカード(プロパー):アメックスカードはメイン決済用のクレジットカードとして利用している.カードフェイスは万国共通のため,一見しただけでそれがアメックスカードであると認識される利点がある.また,ICチップとNFC決済(アメックスコンタクトレス)を搭載しているため,セキュアかつ簡易な操作で決済できる(余計なやりとりが不要になる)利点もある.一方,VISAやMasterと比較して,加盟店数が少ない欠点がある.国内ではJCBと提携しているので,クレジットカードが使える加盟店ではまず断られることはないが,海外ではアメックスのロゴがなければ利用できない.
  • 三井住友VISAカード(プロパー):アメックスカードが使えない場合を想定して,三井住友VISAカードをサブ決済用のクレジットカードとして利用している.カードフェイスは落ち着いたデザインであるため,どこで利用しても恥ずかしさのない利点がある.また,筆者はキャッシング枠を設定しているため,海外ATMでの現地通貨の引出しサービス(海外キャッシング)が利用できる利点もある.キャッシングに関しては,アメックスカードでは設定ができない点を補足する.欠点に関しては,筆者は思いつかない.
  • 三井住友MASTERカード(プロパー):三井住友カードはVISAが有名であるが,実はMastercardブランドも発行している.Mastercardが使える加盟店ではVISAも利用できる場合がほとんどであるが,まれにMastercardしか利用できない店舗(コストコ等)もある点に注意するべきであろう.そのような状況に対処するために,筆者はVISAとMastercardのデュアル発行をしている.今どきは死語であるかもしれないが,いわゆるマイナーマスター問題も考慮して,JALカードに付帯しているMastercardについては,DCカード(三菱UFJニコス,MUFGカード)ブランドにて発行している点を補足する.
  • 三井住友銀聯カード(プロパー):三井住友カードが銀聯グループと提携して発行,三井住友VISAカードに追加カードとして,三井住友銀聯カードを取得している.銀聯カードはアジア圏において加盟店を着実に増やしている.台湾ではVISAとMastercardのロゴの隣に,JCBではなく銀聯のロゴが提示される場面もあった.新参とはいえ銀聯ネットワークの大きさは無視できないので,先のMastercardと同様に予備カードとして位置づけている.
クレジットカードを利用する注意点としては,クレジットカードの所在に気を配り暗証番号は知られないようにしなければならない.とくに,クレジットカードの情報を不正に取得して,不正に偽造(コピー)したカードを使われるというスキミング被害はニュースでよく取り上げられているだろう.
不正利用に対しては,クレジットカード会社の補償があるので安心と言われているが,念には念を入れて,筆者は少しでも不審に感じた場合はクレジットカードの利用を控えている.また,ICチップを搭載したクレジットカードにおいて,暗証番号による決済に関しては補償対象外であると規約に明記されている場合もある点には注意したい.
海外渡航ではクレジットは必須かつ利便性は高いが,その取り扱いには十分注意しなければならない.カードによる不正利用の被害を避けるために,筆者は不審な場所では利用しないだけでなく,不必要にクレジットカードを持って行かない,各クレジットカードの利用限度額は必要最小限に下げておくなどの自衛も必要である.

現金(日本円・米ドル・現地通貨)

現金は必要不可欠であることはいうまでもないが,盗難されるリスクがあるため,必要以上に持ち歩かないことが重要である.現金は仮に盗まれても致命的にならないようにしておくことが原則であり,念頭にいれておくべきであろう.また,日本では考えにくいことだが,現金は偽札をつかまされるリスクもある.自衛手段としては,汚い紙幣は受け取らない(別のお札を要求する),高額紙幣は使わないようにする,そして数え間違いがないように注意することも重要である.
次に,現地通貨現金にどのようにして両替したらよいかについて述べる.海外渡航に慣れてくると,後述するクレジットカードを利用した海外キャッシング,海外トラベルプリペイドカード,国際キャッシュカードを利用すると,お得な手数料で両替できる.本セクションでは,基本となる両替所での外貨両替について焦点をあてる.外貨両替の基本ルールは次の3点である.
  1. 米ドルと欧ユーロは国内,それ以外は現地で両替すると両替の為替レートが良い.
  2. 日本円の通用度が高いアジア圏では日本円から,それ以外の地域では米ドル・欧ユーロを国内で両替しておき現地では米ドル・欧ユーロを使って両替する.
  3. 外貨両替所に差し出す紙幣は,可能な限り新札(ピン札)の方がトラブルを防げる.また,高額紙幣の方が有利な為替レートを提示されることがある.
1.について,はじめての渡航先である場合,不測の事態を想定して手数料が多くかかることを承知の上である程度の現地通貨を国内で両替しておくと安心である.2.について,筆者がシンガポールを訪れた際,日本円からシンガポールドルへの両替に必要な手数料はそれほど高くはなかった(空港,街中の両替所にて).一方,カナダに渡航した際は,日本円の通用度が低いためか,両替手数料として30%程度かかった(空港にて).そのため,二重で手数料(クロスボーダー手数料)を支払ったとしても,米ドルを介した方が正解だった.3.について,マレーシアで両替をしようとしたとき,50ドル札と100ドル札,20ドル札以下の2つの区分で為替レートが示されていた(高額紙幣の方が有利な為替レートを提示していた).

海外キャッシング(クレジットカード)

クレジットカード会社によっては,クレジットカードを使ったキャッシングが利用できる場合がある.キャッシングとは端的に言うと借金であり,聡明な読者の皆様は鳥肌が立つほどに嫌う行為であると想像する.一方,キャッシングサービスの中には,国内のATMだけではなく海外のATMから現金を借りることができることもある.
海外キャッシングは,現金を借りるために利息と手数料を支払わなければならないが,両者を足し算したとしても,両替所での手数料と比べて割安である.筆者は三井住友カードに海外キャッシングができるように設定し,帰国後に繰り上げ返済によって速やかに借金の返済を行っている.両替手数料を節約する目的であり,かつ十分に返済することが可能な範囲の金額であれば,現地通貨を得る手段として,海外キャッシングサービスを選択肢に加えても良いかと思う.

海外用トラベルプリペイドカード

クレジットカードのキャッシングは個人の与信に大きく依存するため,人によっては付与されないこともある.さらに,いかなる理由があろうとも借金はできない信条,または繰上げ返済の手間が面倒くさいということもあるだろう.そこで,事前にお金をチャージすることにより,その残高の範囲内で利用できる海外用トラベルプリペイドカードが代替手段になる.筆者が利用している海外用トラベルプリペイドカードについては,次の3種類である.各々のカードには一長一短の特徴があるが,結果的にどれも同じような使い心地であるように思う.
  • 新生銀行GAICA(Flex機能付き):円貨の入金手数料は無料,外貨(米ドル,欧ユーロ,豪ドル,英ポンド)の入金手数料は3.5%で,新生銀行の口座からチャージすることができる.また,海外ATMから現地通貨を引き出すとき,ATM手数料は無料,日本円から現地通貨に対してVISAインターナショナルの為替レートで両替され,その際の為替手数料は4.0%である.ちなみに,新生銀行のTポイントプログラムにエントリーしておくと,海外ATM利用で1回あたり50ポイント(最大100ポイント)が付与される.
  • JAL Global Wallet:円貨を指定銀行口座(みずほ銀行,三井住友銀行,りそな銀行,住信SBIネット銀行口座振替チャージ)にて送金することによりチャージが可能で,その際の振込み手数料と入金手数料200円は利用者負担である.指定外貨(米ドル,米ドル,欧ユーロ,英ポンド,豪ドル,ニュージランドドル,カナダドル,スイスフラン,香港ドル,タイバーツ,シンガポールドル,マレーシアリンギット,中国人民元,台湾ドル,韓国ウォン)はスマホアプリでリアルタイムの両替可能,それ以外は4.0%の外貨両替手数料が必要である.また,海外ATMから現地通貨を引き出す際に,200円のATM手数料がかかる.指定外貨に関しては為替手数料が無料のように思えるが,スマホアプリで両替するときに手数料込みの為替レートが表示されると考えるべきであろう.また,利用金額200円あたり1マイルが付与される.
  • マネパカード:円貨の入金手数料は無料,外貨(米ドル,欧ユーロ,英ポンド,豪ドル,香港ドル)の入金手数料は1%(3月16日より)で,マネーパートナーズ証券のFX口座からチャージすることができる.海外ATMから現地通貨を引き出すとき,約200円のATM手数料がかかる.外貨両替については,為替手数料は無料,マネーパートナーズ証券が提示するFXレートに20PIPS上乗せした為替レートで計算される.

国際キャッシュカード

セブン銀行や楽天カードは,普段利用しているキャッシュカードが海外でも使えるため,国際キャッシュカードとして利用することができる.クレジットカードの海外キャッシングの設定に嫌悪感がある,または海外トラベルプリペイドカードの手続きが面倒くさいときには,十分に利用価値の高いサービスであると思う.

おわりに

本稿では海外でのお金の持ち方を紹介した.読者の皆様の参考になれば幸いである.

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